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RFとLEGACYを愛する青年の徒然ノート

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    054.jpg











    バイクである。 名前はよくわからない。 人間が言う車種なるものではRF400RVと言うそうだ。

     

    どこで生まれたのかは見当がつかぬが、最初は人間に連れられて雪の降り積もる場所に行った記憶がある。

    056.jpg








    暫らくそこで”最初のオーナー”という人間と過ごしたが気が付けばバイクがたくさん集まる「店」という場所に連れられ、吾輩は「売却」されたらしい。
    後で知ったことだが売却という行為で人間は生きる為の糧を手に入れるようである。
    吾輩にとってはそれがどういう事なのかはよくわからない。
    ただ初めて長く接したオーナーという人間と別れると知り、少しだけ寂しさと不安を感じたことをうっすら覚えている。

    やがて「店」という場所から他のバイク達と一緒にどこかへ連れられる事になった。
    その時”連れられる”と言うことが解らなかった吾輩は隣に居るバイクに聞くと「ここは札幌と言う場所でお前はこれから京都にいくのだ」と言われたが、その時は一体何が何だがさっぱり理解が出来なかった。
    何も解らずにただ人間に押され他のバイク達と一緒に横並びでトラックに乗せられた時は妙な感覚に襲われたのである。
    いつも前を向いて自分で走るのとは違い、何かに乗って景色が横に流れていく独特な感じは今でもよく覚えている。


    フワフワとした感覚のまま長い時間トラックの上で揺られ、やがて降り立った場所は遠くに山を臨む人間の多い土地であった。
    空気の感触が最初に居た場所とは異なり少し戸惑ったのだが、なにやら人間がもぞもぞとやって吾輩の体をじろじろ見ていると思ったらあれよあれよという間にまた「店」に並べられた。
    その時に隣合ったバイクに何処から来たのかと尋ねられ、連れられる前に聞いた「札幌という場所」と答えると
    「まぁ凄いところから」「とっても広くて寒い場所なんでしょ?」などと驚かれる。
    吾輩にとっては生まれてから最初に住んだ土地なのでそこまで驚かれる事に違和感を感じたのだが、
    この地はどうしてか温くしっとりした風の吹く場所だと思った。
    そんな吾輩を見てか「札幌という場所」に驚いていたバイクがこう言ったのを記憶している。

                                

                    「京都へようこそ」



    045.jpg







    やがて幾ばくかの日が流れ、この京都という地の空気に少し慣れてきたかと思った頃、一ぴきの少年とも青年とも言えるような雄の人間が現れた。
    「店」の人間とは明らかに服装が違うそれは辺りを何度か見回して吾輩の元に歩いて来、そして体全体を見まわし始めた。
    そして何かを確認するように見回した後、店の人間と話をしながら少し離れた机に向かい店の人間によって持ってこられた紙に何やら色々と記している。
    「お、ハンコ押したね。って言うことは買われたんだね!おめでとう!」とその様子を見ていた隣のバイクが話し掛けてきた。
    何も知らないでいた吾輩は買われたとは何か?ハンコとは一体?と尋ねると「ん、まぁ君は晴れて購入されて新しい主人、オーナーの元に行くようになったって事だよ。店があの子に売却したとも言えるか。」と答えられた。

    売却と言うことはまたどこかへ連れられて行く事なのか。ではまたトラックの荷台に横向きに並べられて空気の異なる地に降り立つのか。
    そんな事を思考していると「今度は輸送じゃなくて新たなオーナーを乗せて自分で走るんだと思うよ。久しぶりに動くのだからちゃんと整備して貰えるといいね。」などとまたもや隣のバイクに言われる。
    整備と言うとこの地に降り立った時になにやら人間が吾輩にもぞもぞとやっていたあれか・・・。
    しかし長く同じ場所にじっと佇んでいるのも若干飽きてきたところだ。
    新鮮なガソリンを喰らい思い切り走る為に生まれてきたバイクとしては動き走るのは本望である。


     それにしても人間という生き物は「売却」なる行為が本当に好きなものだ。
    吾輩より先に新しいオーナーの元へ行くバイクや逆に新たなバイクが店にやってくる時は必ずそのオーナーが店の人間と生きる糧の手渡し合いをしていった。
    どうも売却とはしたりされたりするもので必ずしも一方的なものではないらしい。
    隣のバイク曰く「ははっ そうだね。 売却の反対は購入って言葉で、君の場合は購入されたことになるね。あとあれは生きる糧で間違ってないけど正式にはお金って言うんだよ。」 

    オーナーとなる人間が生きる糧を店に売却して、店の人間は代わりに我らバイクを売却するという行為に新たに"購入とお金"なる言葉が出てくると吾輩は混乱してきた。
    「まぁまぁ、今すぐ覚えなくてもいいと思うよ。そのうち分かるようになるさ。”お金”は渡し合いに始まって他にも色々な使い方があるんだって。僕は傍でよく見てたからそういうの覚えるのが早かったんだ。」

    我らバイクにとって生きる糧はガソリンであり喰らうためだけのものであるが、人間の生きる糧であるお金と言うものは喰らうものではなくどうやら複雑な代物のようである。
    しかし態々新しいオーナーになる為になぜ生きる糧であるお金というものを代わりに渡さねばいけないのか。
    喰らわないものであるならばそんなものを渡したり貰ったりしてもまるで意味がないではないか。

    人間のやり取りに理解できないでいると
    「それもそのうち分かるかも。僕は前のオーナーがガソリン食べさせてくれた時に理解した。」と言われた。
    まだ喰らうことしか分からなかった当時の吾輩には知るに少し早い事だったのかもしれない。

    「あとちょっとで君はあの男の子の元に行くことになるけど、元気でいられるように祈ってるよ。」
    隣のバイクはどこか感傷的になりながらそう言い放った。
    吾輩は色々と教えてくれた事に感謝しつつ、ずっとこの店にいるのかと聞いてみた。

    「それはわからない。でもいつかどこかで会えたらいいね。」


    最後に掛けられた言葉に押されるように数日が経ったある日、新たなオーナーが吾輩を迎えに来て遂に店を出ることになった。

    おっかなびっくり操作する新オーナーを乗せながら吾輩は久しぶりに空気をたくさん吸い込み、ガソリンを喰らいながら地面を蹴り出し街中を走り始めた。


    この走り始めこそ約6年3カ月ほど続いた吾輩の京都を駆け抜けた日々の始まりなのであった。
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    ◎ 無題

    おお素晴らしい!
    あれ・・・目からなんか汗がT■T


    これは続きが気になりますなw
    空想でもいいからぜひ続きを執筆してくだせぇ^^

    夏彦 2012/04/09(Monday)08:58:51 Edit
    ◎ 無題

    どうもありがとうw
    偉大な漱石先生の有名小説風にしてみたら結構いい感じになって書いちゃいますたw

    事実と空想を混ぜながらオイシイ文に出来るよう続き考えるっすwww

    94年生まれ赤VC900銀黒 2012/04/10(Tuesday)02:16:58 Edit
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    94年生まれ赤VC900銀黒
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    1984/09/20
    自己紹介:
    埼玉的都民
    94年生まれな赤色RF400RVとRF900R 96年生まれな銀黒RF400RV
    2000年生まれなBE5世代LEGACY B4 Blitzen
    生まれ年多分2000年くらいな魔改造ママチャリ2台+クロスバイク1台
    が今現在の愛車。もっと増えるか?!
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